私達の脳は、常にこの世界を『マッピング』し、また更新し続ける事によって私たちを正しい方向へ導いてくれようとしています。
この人生の『マッピング』は、かつては大自然の中で生き残るため、食料やパートナーを得るための戦略を立てていました。そして今では、複雑で変転するこの世界で生き残るため、ビジネスの世界で成功し繁栄するためにも活躍しています。
例えば営業マンが顧客と価格交渉を行っている際の『マッピング』では、価格交渉の際には低めの価格を提示した場合には、会社の利益は減るけど購入してもらえそうだという道筋が見えます。一方で高めの価格を提示した場合には、会社の利益は確保できますが、顧客は機嫌を損ねて他の業者の所へ行ってしまうという道筋も見えます。
何かを決断する時には、このような『マッピング』が絶えず行われており、「現在地」または「現状」を出発点として、様々な道が放射線状に描かれています。
最良の道を選ぶためには
『マッピング』によって作り出された道は、複雑な決断を迫られる程その数も多くなり、またその瞬間の思考の明瞭さによっても異なります。そして、最良の道を選ぶためには、クリエイティブな思考によって、選択可能な道をすべて把握し、それらの道がどこに続くのかを限りなく正確に予測できた時だけです。
しかし、ストレスを受けている時や困難に直面した時には、多くの人が最良の道を見逃してしまいます。なぜなら、そのような環境での『マッピング』は不完全な事が多く、またポジティブで生産的な上方へ伸びる道が1番見えにくくなっているためです。
危機や逆境から 伸びる道は主に3つあります。
- 今の場所をグルグル回る道
- さらに悪い結果へ繋がる道
- 失敗や挫折をスタートとし、人を強く成長させる道
の3つです。ネガティブな出来事は人生に変化を生まないため、いつのまにか出発点に戻ってきてしまいます(第1の道)。危機や逆境に直面した場合、多くの人は事態に立ち向かったり難題に挑戦する事を恐れます(第2の道)。
しかし、挫折を『成長の機会』と捉えている人には、人を強く成長させる「第3の道」が見えてくるのです。無力感や絶望感に覆われていると、そういった上方へ伸びる「第3の道」が存在することすら信じられなくなり、探そうともしなくなります。しかし、「第3の道」こそ探し出さなければならない道なのです。
「第2の道」の様なさらに事態が悪化する道を拒絶し、ポジティブなチャンスを探す事によって、自身が持つ最も強い力を引き出す事ができます。「不運にもかかわらず上方へ向かう」のではなく、「不運があるからこそ上方へ向かう」能力を発揮しなければならないのです。
ゴルフが上手くなるメンタル術
- クリエイティブな思考によって状況を柔軟に捉える
- 選択可能な道をすべて把握する
- 次に選ぶショットがどこに続くのかを限りなく正確に予測する
私たちは「環境」「不運」「生い立ち」「過ち」「挫折」などの囚人ではなく、自らの判断でそれらから自由になれるのです。(ジム・コリンズ?ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則)