ポジティブなモノの見方が過ぎると、人々は対処すべき問題も改善点も見えなくなりかねません。現実が見えない程の非合理的な楽観性によってバブルを生み、人々は本来買えるはずのない家を購入し、身の丈の合わない暮らしを始めました。『ポジティブ幻想』という研究では、楽観主義は現在の能力を過信させるときに問題になると結論付けています。
そして、悲観主義は愚かな投資、リスクを伴うキャリア変更、健康を害する行動にブレーキをかける事ができます。また、批判的であることによって、不公平や不正に気づき正そうとする事ができます。
ここで大切なことは、すべてのネガティブな思考を完全にシャットアウトすることなく、合理的、現実的で健全な楽観性を持つという事です。理想のポジティブなマインドセットは、リスクを顧みない事ではなく、良い事を優先的に見るという事です。
楽観ネガティブな情報をすべてブロックしてしまうような色眼鏡で世界を見てしまうと、確かに問題が起こります。大部分をポジティブな面に注目しながら、大きな問題をすべて視野に入れる事が必要です。ポジティブなモノの見方を取り入れる事ができれば、数多くの具体的な優位性がある事を科学が証明しています。決して現実が見えない程の歪んだ楽観えもなければ、甘い考え方でもありません。
ビジネスでも人生でも、適度の楽観性を持つ人が常に成功を収めているのです。"
"ポジティブなマインドセットで世界を見れるか、それともネガティブなマインドセットで世界を見ているかによって、同じ条件が与えられたとしても、その幸運を拾い上げれるかどうかが変わってきます。
成功するかどうかは、『チャンス』を見つけて活かす能力があるかどうかで決まってきます。『チャンス』を掴む人、『チャンス』が通り過ぎていくのを見送る人、『チャンス』が全く目に入らない人の違いは、『チャンス』にしっかりと注目しているかどうかです。
ポジティブなマインドセットが身についている人は、脳が『チャンス』や『幸運』に対して常にオープンな状態になっています。これを心理学では『予測符号化』といい、『予測符号化』によって好ましい結果を予測していると脳がそれを符号化するため、『チャンス』が現れたときに認識できるようになるのです。
ゴルフが上手くなるメンタル術
- チャンスは常に転がっている
- チャンスがないのではなく気づかないだけだと認識する
ポジティブなフィルターを手に入れる
『予測符号化』やポジティブなマインドセットは、トレーニングによって手にする事ができます。適応力、創造性、モチベーションの向上、チャンスの符号化ができるようになるため確実なトレーニング方法があるのです。
それは、『今日起こった3つの良い事』を書き出すという方法です。
単純で馬鹿らしく思うかもしれませんが、この行動が脳の配線に及ぼす重大な効果があるという事について、10年以上に渡る実験的研究が証明しています。
『今日起こった3つの良い事』を書き出そうと1日を振り返る事で、脳はポジティブと思える事を探し出します。これは本当に些細な出来事でもよく、ちょっと面白かった事や小さな達成感を得られた事、家族との絆が強まった事、未来への希望の兆しが見えた事などを思い返すのです。書き出す内容は、重大なことや複雑なことである必要はありません。ただ具体的でありさえすればいいのです。
人間の脳は1度に注目できる範囲に限界があるため、ポジティブな事を考え始めると、それまで頭を占めていた小さな心配やイライラは意識の外に押し出されるようになります。このトレーニングをする事で、幸福度が高く、落ち込む回数も減ってきます。
困難な辛いことを書き出す事で心を治療する方法を聞いた事がある人も多いと思いますが、ポジティブな経験を書き出す事でも同様の効果があります。
トレーニングを習慣にする方法
『ポジティブなフィルター』を手に入れるためには、反復練習が必要です。その他のスキルと同様に、トレーニングを重ねる事で、自然にポジティブなマインドセットで物事を捉える事ができるようになります。このような好ましい行動が確実に継続できるように、『習慣』にできる仕組み作りをしましょう。
しかし、私たちは『良い行い』と分かっていても、意志の力だけで継続する事は出来ません。これは、ダイエットを完遂出来る人が少ない事が証明しています。少しでも面倒であったり、その他に楽な事があれば、徐々にそちらへ流されてしまいます。私たちの意志の力は、水と同様に高いところから低いところに流れようとするのです。
日々の出来事や経験は、それを『どう捉えるか』によって見え方が変わってきます。つまり、『今日起こった3つの良い事』を書き出す習慣を作るには、何もしないよりもそれを書き出す方が楽になる仕組みを作るのです。
まずは同じ時間に『今日起こった3つの良いこと』を考えることから始めましょう。例えば、食事の際に家族で『今日起こった3つの良いこと』を報告しあうのもいいでしょう。寝る前に子供と『今日起こった3つの良いこと』をおしゃべりするのもいいでしょう。
家族やパートナーとの時間が作れないなら、TwitterやFacebookなどのSNSを活用しましょう。メモを書く必要もなく、手軽に始めることができます。