ゴルフ練習道具の中でも人気の「ヘッドスピード計測器」、その精度やメーカーとの違いによって飛距離がどれくらい変わるか気になっている人も多いと思います。
お店で計測した数値やテレビ中継で見るトッププロの数値と比較すると、あれ?こんなに速いの?こんなに遅いの?と感じるシーンが多いはず…
そこで、ヘッドスピード計測器でトップシェアの「ユピテル スイングトレーナー」と「プロギア レッドアイズポケット」をレンジで比較してきました!
また、GC2やフライトスコープでの計測値も参考に、その精度や飛距離測定ブレを検証していきます!
最後にはヘッドスピード計測器の「オススメの使い方」についてもご紹介します!


簡易型ヘッドスピード計測器の計測方法
まずは、どのような仕組みを使ってヘッドスピードを計測しているのか、簡単に説明します。
練習場に持ちこめるような簡易型の「ヘッドスピード計測器」は、「ネズミ捕り」と同じ原理を使って計測します。
具体的には、「電波法対応マイクロ波センサー」と「ドップラー効果」を使ってヘッドスピードを計算するのです。
レーダー式ネズミ捕り
レーダー式取り締まりは、マイクロ波を車に当ててその反射波し、ドップラー効果の原理で車速を割り出します。
往復の周波数の違いから速度を計算しているので「理論値」です。
そのため、設置したレーダーの向き、高さ、障害物や電磁波の影響によって誤動作が頻発します。
実際にレーダー式の取り締まりでは誤測定疑惑によって裁判が行われたりもします。
野球のスピードガンも同じ仕組みです。
ドップラー効果
ドップラー効果は、誰もが経験している「音の高さの変化」です。
救急車がサイレンを「ピーポーピーポー」と鳴らしながら近づいてくる際、サイレンの音程は高く聞こえます。
一方で目の前を走り去っていくときは音程が低くなります。
音の高さはその振動数に関係しており、音源の移動速度と振動数(波長)に関係した物理現象をドップラー効果といいます。


ユピテルスイングトレーナー(GST-5 W)vsプロギア(ニューレッドアイズポケット)の試打データ比較
それでは早速、ユピテルスイングトレーナー(GST-5 W)vsプロギア(ニューレッドアイズポケット)の試打データを公開します!
今回は、ドライバー、6番アイアン、サンドウェッジの3種類を比較しました。
測定場所による誤差を無くすため、置く場所を左右入れ替えながら計測しています。
サンドウェッジの比較
ユピテル
- ヘッドスピード:37.2m/s
- 飛距離:88yd
プロギア
- ヘッドスピード:37.5m/s
- 飛距離:計測不能(何度打っても飛距離出ず…)
6番アイアンの比較
ユピテル
- ヘッドスピード:39.8m/s
- 飛距離:160.5yd
プロギア
- ヘッドスピード:38.6m/s
- 飛距離:179yd
ドライバーの比較(軽くスイング)
ユピテル
- ヘッドスピード:50.5m/s
- 飛距離:223.5yd
プロギア
- ヘッドスピード:47.95m/s
- 飛距離:248.5yd
ドライバーの比較(しっかりスイング)
ユピテル
- ヘッドスピード:55.05m/s
- 飛距離:250yd
プロギア
- ヘッドスピード:48.75m/s
- 飛距離:278yd
参考値(ドライバー)
GC2
- ヘッドスピード:48.5m/s
- 飛距離:289yd
フライトスコープ
- ヘッドスピード:48.4m/s
- 飛距離:281yd
スカイトラック
- ヘッドスピード:49.6m/s
- 飛距離:287.3yd
ラウンドでの飛距離平均(ガーミンS62)
- 飛距離:274yd
ユピテルスイングトレーナー(GST-5 W)vsプロギア(ニューレッドアイズポケット)精度〜まとめ〜
今回の検証では、プロギア(ニューレッドアイズポケット)のデータは高性能計測器やラウンドでの実測値に近い数値が出ました。
また、ヘッドスピードを上げれば上げる程にユピテルではその測定誤差が出てくる印象です。
ドライバーの計測をメインに使いたい方は、プロギア(ニューレッドアイズポケット)がオススメです。
ヘッドスピードはかなりシビア(実測値に近い)ので、誤差も少なく計測できそうです。
サンドウェッジメインに使いたいんだ!(という人はいないと思いますが…)という場合は、ユピテルがオススメです。
ただ、最新のプロギア計測器(RES EYES POCKET HS-130)は、プロギア公式オンラインのみでの販売で、お値段も2万弱…もちろん精度は上がってるのでが、
これならユピテルでいいかなと思います!
ヘッドスピード計測器ので飛距離誤差が生まれる理由
正直いって、簡易型ヘッドスピード計測器の飛距離精度は微妙です。
不確定要素が多すぎる点、理論値に頼りすぎている点から、「飛距離」や「ミート率」については特に誤差が生まれます。
その主な理由は下記の2種類
- 計測そのものの誤差
- ロフトやスピン量の誤差
です。
まず、「1.計測そのものの誤差」について、もはやこれはどうしようもありません。前述の通り、誤差が生じさせる要因が多数あるため、受け入れざるを得ない誤差です。
ネズミ捕りですら誤差があるのですから、1万円程度の計測器にこれ以上を求めるのは酷な話しです。
一方で気をつけなければならない誤差は「2.ロフトやスピン量の誤差」です。
トータルの飛距離については、各社が集めた試打データを元に、推定飛距離を算出しています。
推定飛距離は、計測したボールスピードおよび各番手における平均的な打ち出し角度、スピン量を用いて算出したトータル飛距離です。
つまり、「6番アイアン」を選んでいても、「飛び系」のアイアンであれば計測器以上に飛びます。
またドライバーにおいても、ヘッドスピードが速い人ほどその誤差は大きくなります。(スピン量やロフト角が全然違う)
また、目測の感覚とのブレに違和感があると思います。
ミート率(スマッシュファクター)を気にしてはいけない
飛距離に誤差が出るという事は、ミート率も誤差が出ます。
ミート率は「ボール初速÷ヘッドスピード」によって算出される「理論値」です。
ボール初速にも、ヘッドスピードにも誤差が生まれますから、ミート率(スマッシュファクター)にはさらに大きな誤差が生まれます。
ミート率は数値ではなく、インパクトの手ごたえで感じる方がはるかに正確だと思います。
ヘッドスピード計測器のオススメの使い方
ここまでの話を聞くと、「誤差」があるよという話しばかりで「使い物にならない」と感じる方も多いと思います。
確かに、飛距離やミート率を気にして練習しても、実際のコースに役立つかと聞かれれば疑問が生じます。
しかし、私は「計測器」を使って練習する事を強くオススメします。
それは、「ヘッドスピードの変化を数値化する」ためです。
飛距離を伸ばすドリルを取り入れる場合、「ヘッドスピードの変化」に敏感でなければなりません。
具体的には、次の1打、次の1打と最速のヘッドスピードを更新できるようにチャレンジしていくことが、飛距離伸ばす上で最も大切な練習なのです。
また簡易計測器とはいえ、「ヘッドスピードの変化」だけを見れば、その傾向は見えてきます。
同じ計測器を使っていれば、誤差はあるとはいえ自分の変化が数値化されるのです。
※「ヘッドスピード計測器」を使った「飛距離UP」トレーニングはまたの機会に!
簡易型ヘッドスピード計測器
- ヘッドスピードだけに注目して
- その速度の進化をチェックする
ヘッドスピード計測器を使った効果的な練習
ドラコン世界チャンプが実際に行なっている、ヘッドスピード計測器を使った練習ドリルを紹介しています。
実際に私の飛距離アップレッスン受講している方にも取り入れてもらってますが、今のところ100%の確率で飛距離アップしている練習方法です!
とても簡単かつ効果抜群ですので、ぜひ試してみてください!