飛距離を伸ばすためには「ボール初速」を上げることが最も大切になります。
飛距離アップ=ヘッドスピードUPと考える人は多いと思いますが、ヘッドスピードUPはボール初速を上げる手段のひとつに過ぎません。
ボール初速を上げるためには、以下の2つのポイントがあります。
ボール初速UPの方法
- 「ヘッドスピード」を上げる
- 「ミート率(スマッシュファクター)」を改善する
ザックリ計算ですが、ヘッドスピードが1m/s上がれば、ドライバーの飛距離は4~6ヤードほど伸びます。
トッププロのようにすでに完成されてスイングからヘッドスピードを上げることは難しいですが、アマチュアゴルファーのスイングにはヘッドスピードの伸びしろが十分にあります。
そこで今回は、「筋力・体力」(内力)に頼らない「ヘッドスピード」の上げ方について、解説していきます。
「地面反力」を学ぼう
ヘッドスピードを上げるには、フィジカルをガンガン鍛えていくか、より効率的に今持ち合わせているエネルギーをヘッドへ伝達するかの2択になります。
フィジカル鍛えるには時間も労力もかかりますので、ここでは「今持ち合わせていエネルギーをどう活用していくか」を考えていきます。
そこで重要になるのは「地面反力」という、自分の体の外から発生するエネルギー(外力)の使い方です。
「地面反力」の使い方
「地面反力」とは言葉のとおり「地面から跳ね返ってくるチカラ」のことを言いますが、この力を上手に使うことができれば、筋力に頼らずヘッドスピードを上げる事ができます。
「地面反力」を使えるスイングは、「脚力」をヘッドに伝える事ができるスイングです。
「地面反力」をイメージしてもらうために、まずは「走り高跳び」を用いて説明します。
「走り高跳び」では必ず、跳躍の直前にグッと地面を踏み、深く沈み込んでからジャンプします。
この「地面を踏む」というエネルギーの入力に対して、「地面から押し返す」というエネルギー(反力)が出力されます。
この反動を受け取り、「抜重」することで高く飛ぶことができます。
棒立ちの状態からジャンプす場合、自分の筋力しか使えず、高く飛ぶことはできません。
「踏む」→「抜く」→「飛ぶ」は地面反力の使い方がイメージしやすいですね。
しかし、ゴルフは回転運動の伴うスポーツですから、ここまで単純ではありません。
次に「フィギアスケート」を用いて説明してみます。
フィギアスケートでも、4回転ジャンプなどを行う時には必ず「踏み込む」動作があります。
そして「抜重」するタイミングに合わせて、もう一方の足を回す事で、「地面反力」を「回転力」に変えています。
ゴルフでは、この動きが非常に重要です。
「踏む」→「抜く」→「回転」という形で、地面から得るエネルギー(=脚力)をスイングスピードに転換していきます。
ゴルフでは切り返しで踏み込むことによって「地面反力」を発生させ、上半身と下半身を上手に連動させヘッドスピードを加速させていきます。
ゴルフのスイングでは、前傾姿勢を保ちながらゴルフクラブを使うスポーツであるため、「地面反力」を活用するのは簡単ではありませんが、このエネルギーをいかに使えるかが飛距離アップに重要なポイントです。
言い換えると、「地面反力」を上手く使えている人ほどヘッドスピードが速くなります。
「運動連鎖」を高める
「地面反力」というエネルギーを効率的に「ヘッド」まで伝えていくには、「運動連鎖」がとても大切になります。
この説明は長くなるので、今回は結論だけお伝えしておきます。
効率的にエネルギーを伝えるポイント
足→膝→股関節→腰→肩→肘→手首→シャフト→ヘッド→ボール
の順番にパワーをロスする事なく受け渡していく
この順番がズレると、そこでは「筋力」(内力)が必要になりますし、せっかくの「地面反力」が低減してしまいます。
この「運動連鎖」を手に入れるには、様々なノウハウが必要ですので、別記事でじっくり解説していきます。
今回は、「力む」ことなく「足→膝→股関節→腰→肩→肘→手首→シャフト→ヘッド」 の順番に体を動かすという事だけ頭に入れておいてください。