私たちは図らずして競争社会に身を置き、物心ついた時にはすでに「白黒」つける、「優劣」つける習慣を刷り込まれ始めています。そして、いい人生を送るには「努力」が必要であり、その先には「幸せ」が待っているから頑張りなさいと。
「努力すれば成功する 。成功すれば幸せになれる 」「この受験戦争であの大学への切符を勝ち取れば…」「ここで昇進できれば…」といった具合に、努力し成功した先には必ず「幸せ」が待っていると教えられ育ってきたはずです。
つまり私たちは「成功 」が先で 「幸せ 」はあとに来るという図式の中で生活してるのです。
「鶏が先か、卵が先か」の議論のように、ここでは結論が出ないように感じてしまいますが、ポジティブ心理学と脳科学の10年以上にわたる画期的な研究によって 、成功と幸せの関係は 、普通に考えられている矢印とは逆だということが 、明解に証明されているのです。
幸せは 「成功に先行する 」のであり 、単なる 「成功の結果 」ではない
成功が必ず幸せをもたらすのであれば、有名大学に合格した学生、一流企業に就職した新入社員など、何かの目標を達成した人はみな幸せになっているはずですが、実際にはそうではありません。
幸せは 「成功に先行する 」のであり 、単なる 「成功の結果 」ではない _
という事は、あなたの周りの人、もしくはあなた自身の経験からも学ぶ事できるのではないでしょうか。
幸福感や楽観主義は 、実際に業績を高め優れた成果をもたらす 。幸福感そのものが競争力の源泉となるからであり 、私はこの力を 「ハピネス ・アドバンテ ージ (幸福優位性 ) 」と呼んでいる 。ショーンエイカー
私たちにとって最も大切な事は、脳を常にポジティブな状態に保ち、幸せを先送りにはしないという事です。
ポジティブシンキングとポジティブ心理学の違い
先ほど、脳を常にポジティブな状態に保つべきと伝えましたが、これは「ポジティブシンキング」「楽観主義」であれというわけではありません。
ポジティブシンキングとポジティブ心理学には、そこに明確な区別があるのです。
ポジティブ心理学は「科学」であり、持続的な幸せを求めるものだという事を忘れてはいけません。
一方、「ポジティブシンキング」では一時的な快楽、幸せでも成り立ってしまうのです。
ジャンクフードで得る快楽
身体に悪いとわかっていながらも、ジャンクフードや高カロリーの食事はやめられないものです。何も気にしなければ、食卓に彩は失い、茶色一食のメニューになるでしょう。
この時「ポジティブシンキング」で解決するならば「たまの息抜きは必要だよね。この贅沢が明日への活力になるのよ」とするでしょう。これが言葉の通りであれば、問題ありません。
しかし、一度楽な方に転がってしまうと、元に戻るのは簡単ではないこと、「意思の力」は私たちの想像以上に弱いということを、私たちはよく知っているはずです。
「意思の力」で良い行いを継続できるのであれば、この世から「ダイエット」という言葉は存在しないはずです。
つまり、「ポジティブシンキング」は一時的な快楽、ちょっとした罪悪感の解消には役立ちますが、本当の意味での「幸せ」からは遠ざける思考法であり、「ポジティブ心理学」とは正反対の思考法といっていいでしょう。
「ハピネスアドバンテージ」(幸福優位性)を活用し、能力をフルに発揮する
脳をポジティブで前向きな状態にすれば 、モチベ ーションが高まり 、効率的に働けます 。また、挫折から立ち直る力、創造性 、生産的になる事ができます。仕事は今よりずっとうまくいくようになるでしょう。
一方、幸せを先送りすれば 、脳がもつ 「成功の可能性 」を狭めてしまうことになるのです。
事実、ショーンエイカーは、600人のハ ーバ ード大学生とフォ ーチュン500に選ばれた世界的な大企業数十社を対象にして行った研究でこれらを証明しています。
「幸福優位性 」の力を実証するための研究や、仕事で成功するためには、その優位な力をどのように日々活用すればいいか、今後の記事で順に紹介していきます。
ゴルフが上手くなるメンタル術
- ポジティブシンキングはジャンクフードである
- 幸福優位な状態を作り出し能力を発揮する