NHK総合テレビ番組シブ5時 「My Treasure」(2019年8月28日)にて、卓球日本代表平野美宇の母であり卓球指導者の平野真理子さんの特集が組まれました。
平野真理子さんは筑波大学在籍時は卓球部主将として関東大会を優勝。卒業後は10年間小学校の先生として働いていました。
その後3人の子宝に恵まれ、子供の成長をより近くで見守るため、2003年に卓球教室を始め、今では約100人の子供たちを指導しています。
平野流の指導ポイントは
- 褒めると叱るの割合=3対1
- 練習メニューは子供自信が考える
という点。
これらについて、ポジティブ心理学の観点から解説していきます。
ポジティブな発言とネガティブな発言の割合は最低でも「3対1」以上
幸福優位性を取り入れ、ビジネスでも私生活でも成功するには「2.9013対1」という数字を覚えておかなければなりません。
これは一見でたらめな数字に見えますが 、心理学者でありビジネスコンサルタントでもあるマルシャル ・ロサダが10年間の研究によって発見した重要な数字です 。
マルシャル ・ロサダは、業績のいいチームと悪いチ ームの差をを研究するなかで、ビジネスチームに成功をもたらしている1つの割合を発見しました。それが「2.9013対1」という数字です、
その膨大な数学的モデルに基づき 、ビジネスチ ームに成功をもたらすためには 「メンバ ー間のポジティブな相互作用とネガティブな相互作用の比率 」が 、最低でも「2.9013対1」でなければならないということを突き止めたのです。
つまり 、1つのネガティブな意見や経験や表現の悪影響を打ち消すのに 、3倍の量のポジティブな意見や経験や表現が必要だという事になるのです。
この転換点は「ロサダライン」と呼ばれ、ポジティブとネガティブの割合がこのライン以下だと 、チ ームの仕事ぶりは一気に落ち込み、ロサダラインを上回る比率であれば 、チ ームは能力を最大限に発揮するのです。
また、チームが最大限に能力を発揮するためにはポジティブとネガティブの割合が、「6対1」くらいが理想とされています。
平野流の子育てや卓球指導は、最新の心理学研究でも裏付けされたポジティビティ比で行われているのです。
幸福優位性によるリーダーシップ
子供たち自身に練習メニューを考えさせ、さらに褒めて伸ばし続けるというのは、指導者として簡単な事ではないでしょう。
しかし、このオープンでポジティブなリーダーシップは、結果を残す上で非常に重要になります。ある研究では、部下を肯定的に励ますマネージャーのチームは、あまり部下を褒めないマネージャーのチームと比較し、業績が31%も優れているというデータがあります。
さらに、この「褒める」という行為は「金銭」による動機付けの効果を上回るデータがあるというのは驚きです。
「どのように言うか」が重要
部下や同僚、または家族に何かを伝える時、伝える内容と同様に「どのように言うか」が非常に大切になります。
イライラしたり、ネガティブなトーンで伝えた場合、何かを始める前から相手にハンディを負わせる事になるのです。イェール大学のマネジメントスクールで「口調」が与える影響を調査しましたのでご紹介します。
4つの口調による成果への影響
学生たちを4グループに分け、架空の企業のために収益を生み出すビジネスモデルの検討をするワークショップで、上司役からの指示は
- 明るく情熱的な調子
- 穏やかで温かみのある調子
- 憂鬱で無気力な調子
- 敵意のあるイライラした調子
の4つの口調で指示を受けワークショップを開始します。そして各グループがどれだけ収益を生み出す事ができるか検証しました。もちろんその結果は、みなさんが予想する通り、ポジティブな口調で指示を受けた2チームが、ネガティブな口調で指示を受けたチームより、はるかに大きな収益をもたらす事ができました。
リーダーがポジティブである大切さ
これは会社、家族内だけでの話ではありません。企業より遥かに厳格である軍隊においてでさえ、リーダーのマインドが大きく成果に影響するのです。
ポジティブでオープンな態度を表現するリーダーのチームは、他のチームより賞をもらう頻度が高いという調査結果があるのです。
もちろん、1番成績のわるいチームの部隊長は、ネガティブで専制的で表情も冷淡である事がわかっています。軍隊式のリーダーシップが問われる環境でさえ、ポジティブな姿勢が勝利を収めているのです。
みんさんは普段、どのような姿勢で周りにメッセージを送っているでしょうか?気づかぬうちに険しい表情になっていないでしょうか?褒める割合と叱る割合が同じになっていないでしょうか?
「何を伝えるか」ばかり考えていないでしょうか?
「どう伝えるか」が大切なのです。
ゴルフが上手くなるメンタル術
- 自分自身にどのように語りかけるか
- 何を伝えるのかではなく、どう伝えるのか
- 3:1でポジティブな表現を使う癖をつける