時にかなった思想は、軍隊よりも強力である(ヴィクトリエル・ユーゴー)
『レミゼラブル』の著者であるヴィクトリエル・ユーゴーの言葉を現代にマッチさせたのが『より少なく、しかしより良く』というエッセンシャル思考の考え方です。
私たちが生きる「現代」はインターネットの普及で情報で溢れかえり、インフラ整備によって物理的距離が近くなった事で、『時間』が足りなくなっています。何か1つ選択するだけでも膨大な情報の中から『正しい情報』を選び抜き、数々の『誘惑』を断ち切りながら進まなくてはなりません。
私たちは『選択』の連続で疲れ切っているのです。
「自ら選ぶ」技術は現代の最強の武器である
自らの「基準」を持たず、時の流れに身を任せておけば、人生の大抵の時間を「他人に決められた事」に費やすことになります。
しかし、行動を取捨選択できるようになると、人生の全てが変わり、大きな歯車が動き出すのです。
不要なものを捨て、『本当に大切なモノ』だけを残し、誰かの思惑に振り回されることの無い生き方は、本当の意味で『自由』を手に入れる事ができます。また、『自ら選ぶ』という技術を身につけると、仕事や生活で最高のパフォーマンスを発揮できるだけでなく、より世の中に貢献する事が出来るようになります。
課題のための課題をやめ、もっと世の中のためになる行動をしたらどうだろうか?無駄な会議を廃止しもっと重要なプロジェクトを進めたらどうだろうか?不毛な競争をやめ未来を見据えた政治を行ってはどうだろうか?
『自由』を手ににし、未来を変えることは簡単な事ではありません。しかし、どんな小さな事から始めてもいいのです。『決意』し、歩み始めた者にしか辿り着けない場所があるのです。
エッセンシャルに生きるという『決意』
世の中の大抵の人は、本当は大して重要でないとわかっていても『みんなそうだから』『習わしだから』と、自由になる勇気を持つことができません。人間は変化を嫌う動物ですから、よりよい未来があると予感はしていても、予期せぬ事態を恐れ、多少苦しくても想定内の生き方が出来る道を選んでしまうものです。
『自ら選んだ』道のように見えるので、『自由』を手にした上での『選択』であるように感じますが、本来『自由』とは『他からの強制・束縛・支配などを受けず自らの意思で行動すること。自らに由(よ)る生き方』を意味します。
習わしや周りの目など、見えない力を気にした上で選択している以上、そこに『自由』はないのです。
今ここで大切なことは『エッセンシャル思考』の生き方を自らが選び、決意する事です。もちろん、何が何でも我を通し、社会とうまくやるなと言っている訳ではありません。
たくさんの『大して重要でない事』に時間を費やすのではなく、数少ない『本質的な事』に全力を注ぎませんか?という事です。社会に生きている上で『法律』や『マナー』は尊重すべきですし、『幸せに生きる』ためには他者との繋がりや社会への貢献が不可欠です。
エッセンシャル思考とは『より少なく、しかしより良く』を貫く生き方です。それは未来へ向かうイノベーションなのです。
誰もが無難な行動の代わりに、『本当に大切なモノ』をえらび行動するようになれば、この世界は今よりずっといい場所になるのです。
部屋の乱れは心の乱れ
エッセンシャル思考の第一人者であるグレッグ・マキューンは、エッセンシャル思考は、人生をシンプルにすっきりするための片付けコンサルタントだといいます。
例えば、クローゼットを片付けないで放っておく、また片付け方を知らないと、着たい服は見つからず、着ない服で溢れかえりグチャグチャになっていきます。クローゼットを整理する方法を学ばなければ、一度全てを捨てても同じ事を繰り返すだけです。
今回は『クローゼットの整理整頓方法』を例にあげながら、エッセンシャル思考で生きる方法をお伝えします。ミニマリストに憧れる、片付けが苦手!という方にもぜひ参考にしてください。
断捨離の基準作り①ー評価する
『いつか着るかもしれない』と考えている限り、断捨離は進みません。
断捨離の基準としては、『大好きか?』『とても似合っているか?』『頻繁に着るか?』をまず考えるべきなのです。ここで自信をもって『Yes』と言えないならば、不要なものだと考えましょう。
断捨離の基準作りその②ー捨てる
人はすでに持っているモノに対して、実際よりも高く評価する傾向があります。そのため、一度手にれたモノを捨てる事に抵抗があるのです。ただの紙袋であったり、おせんべいを入れる少し立派な小箱が家に溢れているのは、このバイアスが原因です。
そのため、いざ捨てようと思っても『もったいない』と考えてしまい、断捨離が進みません。たとえ『いらないもの』と評価されたとしても、今すぐ捨てるのは勇気がいるのです。
ここで重要な考え方は、『もしもこれを持っていなかったら、今からお金をだして買うか?』と自問自答する事です。大抵のモノは、お金を出して買うほどのモノではないでしょう。
断捨離の基準づくりその③ー実行する
クローゼットを綺麗な状態に保つには、整理整頓の『基準』や『仕組み』を作り、実行する事が大切です。
そしてこの『仕組み』は面倒なモノではいけません。どんなに良いと分かっている行いに対しても、意思の力だけで継続する事は不可能なのです。大抵のダイエットが失敗するのは、私たちの意思の力を過信しており、甘い誘惑を断つ仕組みが少ないからです。
ここでの『基準』や『仕組み』は、それを守らない方が面倒だなと感じるような仕掛けをしておきましょう。例えば我が家では、
- 特大の袋を用意し、3ヶ月に1回はリサイクルショップへ持っていく
- 何かを買うときは何かを捨てる(更新という意識)
- 買うときは一生そばに置いておきたいか考える(どうでもいいものは買わない)
- 毎週1つ何かを捨てる
という事を実践しています。
シンプルにより良く生きるために
人生や仕事においても、習慣を味方につける事が大切です。意思の力に極力頼らないために、良い行いを『仕組み化』する事が重要になります。
スタート時点では少し意思の力を借りながら行った『良い事』も、習慣にする事ができればコンフォートゾーンが上がり、『やらないでいる事』の方がストレスを感じるようになります。
人は放っておけば、よりエネルギーの少ない方向に動く生き物ですので、コンフォートゾーンさえ変われば、行動や結果が変わってきます。この辺りは脳科学で色々な実験やトレーニングが行われていますが、『引き寄せの法則』はこの脳と習慣の力を巧みに利用しています。
人生も仕事もクローゼットと同じで、必要なものと不要なものを区別出来なければ、大して重要ではない事で溢れかえってしまいます。捨てる『仕組み』、『基準』を作らない限り、やる事リストは積み上がり、不要なもので埋め尽くされてしまうのです。
大事なものを知り、不要なモノを捨て、人生のあらゆる場面で正しくモノを『減らす』。
シンプルにより良く、エッセンシャルに生きるための秘訣です。
ゴルフが上手くなるメンタル術
- 思考を整理し、本当に重要な情報以外は削除する
- スイングはよりシンプルに、そしてより良くを心がける